【台湾の外国スタートアップ企業1】事前に考慮すべき3つの重要な質問
近年、台湾政府は、外国人が台湾で起業したり、ハイレベルな国際人材を採用したりするためのインセンティブを高めることを目的とした政策(起業家ビザや就業ゴールドカードなど)を導入しています。
当オフィスは、台湾のスタートアップ専門の弁護士として、台湾に進出する外国人起業家やスタートアップ企業の数が増加していることを実感しています。
そこで、台湾での起業を検討する際に外国人起業家が考慮すべき代表的な質問を3つご紹介します。
- どのタイプの会社が自分に最も適しているか?
- どのようにして会社を設立するのか?
- 会社設立にはどれくらいの時間がかかるのか?
台湾では、外国人が「会社」、「個人事業」、「パートナーシップ」を設立することができます。今回は、実務上外国人から最も問い合わせの多い「会社」の設立に焦点を当てます。
どのような種類の会社を設立できますか?
外国人が起業できる会社には3つのタイプがあります:
- 有限責任会社
- 株式会社
- 閉鎖会社
これら3種類の会社の違いについては、次回の記事で詳しく説明します。
スタートアップ企業の場合、会社運営の利便性や、多くの株主が同じ目標を共有するパートナーであることを考慮し、通常はクローズド・カンパニーの設立をお勧めします。
ただし、起業株主が1人しかいない場合は、会社法上、起業者は有限会社を設立する必要があります。
会社設立に必要な手続きは何ですか?
申請手続きを進める前に、申請者は株主が中国以外の国籍であることを確認する必要があります。これは「外国人投資条例」が中国以外の個人にのみ適用されるためです。中国国籍の方は「中国大陸人民投資許可弁法」に従う必要があります。
次に、ラジオ放送や送配電など、外国人が会社を設立できない業種もあります。そのため、申請者は台湾で行おうとする事業がこれらの禁止・制限の対象外であることを確認することをお勧めします。
以上の2点を確認した上で、以下の手順に沿って会社設立の申請を進めることができます:
会社名検索
設立を希望する会社のフルネームが使用可能かどうかを事前に確認し、それを会社登記のみに使用するようにしてください。また、会社の事業内容がどのようなもので、事前承認が必要な取引に関わるものかどうかを確認することも重要です。
経済省投資審査委員会(以下「IC」)の承認
申請者は、投資申請書を提出し、意図する業種、事業計画、投資額などを詳述した投資計画書を添付しなければなりません。また、会社の最初の株主と取締役の本人確認書類もICに提出する必要があります。
会社設立準備室用銀行口座を開設
ICの認可を待っている間、申請者は会社設立準備のための法人銀行口座を開設することができます。この準備口座は、IC承認後に海外から投資資金を受け取るために使用されます。
資金の送金
ICの承認を得た後、海外からの資金を当社準備室の銀行口座に送金し、銀行は次のステップに必要な書類(送金通知書、為替手形など)を提供します。
ICに投資額の承認を申請
申請者は、ICが株主が実際に投資を行ったことを確認できるよう、投資確認申請書に記入し、必要書類を添付しなければなりません。
所轄官庁への会社登録
申請フォームに必要事項をご記入のうえ、法人登録手続きを行ってください。
会社設立にかかる時間はどのくらいですか?
会社名の事前検索から会社登記の完了まで、スムーズに進めば2~3ヶ月程度で完了します。
過去の経験から、会社設立準備室での銀行口座開設とICの承認取得は、申請プロセス全体での2つの大きなハードルであり、また最も問題が発生しやすい分野でもあります。
申請者は、準備室での銀行口座開設の失敗、投資計画の変更、海外からの資金輸入手続きの遅れ、投資額を数回に分けるなど、さまざまな要因によって、より多くの時間を要する可能性があります。
したがって、起業チームは、会社設立前に専門の弁護士や会計士に相談し、協力すべき問題を理解し、十分な準備を行うことをお勧めします。
彼らはICとのやり取りをサポートし、会社設立の過程で持株計画や定款設計などのサービスを提供することで、会社登記をスムーズに完了させ、台湾での起業の旅を順調にスタートさせることができます。
この記事は、Xiri Attorneysと台湾就業ゴールドカードオフィスが編集・制作し、 Xiri Attorneys のウェブサイトにも掲載しています。無断転載はご遠慮ください。