台湾の社交マナー
台湾では、社会的エチケットが非常に重視されており、言動に関わらず社交の場で礼儀を尊ぶ姿勢が求められます。ここでは、ビジネスシーンや友人・家族との交流を円滑にし、豊かな人生を送るための基本的なビジネスマナーをご紹介します。
挨拶
- 名前と肩書きは非常に重要。自己紹介時に名刺交換が慣習。
- 財布に予備の名刺を常備し、中国語と英語の両方が記載された名刺を持つのが理想的。握手後、両手で名刺を差し出し、受け取ったら必ず自分の名刺も渡す。
- 初対面の際は軽いお辞儀やうなずきが礼儀。握手は主に友人関係にある男性同士で行われる。
- 紹介は第三者が行うのが基本。パーティーやビジネスミーティングではホストの紹介を待つ。
- 時間厳守は評価されるが、数分の早退や遅刻は許容される。
- 多くの挨拶には「食事はされましたか?」といった丁寧な問いかけが含まれる。
面会
- 台湾のビジネスパーソンは交渉において粘り強く譲歩を求める傾向がある。忍耐強く対応し、急かさない。
- 可能であれば、2〜4人のチームで参加。意思決定権を持つ上級者を1名含むことで真剣さを示せる。
- 意思決定は集団で行われるため、交渉には時間がかかるが、事実が確定すれば合意は迅速に成立する。
- 人脈・人間関係はビジネス成功の鍵。ビジネスを始める前に信頼関係の構築が重要。
食事と娯楽
- 「接待術」を重視し、適切なレストラン選びがビジネスチャンスに繋がる。
- 台湾での食事は豪華で、宴会では20品以上のコースが提供されることもあり、夜遅くまで続く場合がある。
- 宴会には時間通り、または少し早めに到着するのが望ましい。
- 夕食の席でビジネスの話をするのは避け、ホストが切り出すのを待つ。
- 乾杯は一般的。ワインや酒で行い、ホストは両手でグラスを持ち、片手で底を支える。
- ホストが空のグラスを渡してきた場合、ホストが注いでくれるため安心。
- 乾杯の際はホストに敬意を払い、グラスの中身を飲むのが礼儀。
- ゲストは最初に料理を試食。他の参加者はゲストが試食終わるのを待ってから食事を始める。
- ホストがゲストの皿に料理を取り分ける場合もある。
- 各自は少量の料理を自分の器に盛り、自由に追加も可能。
- 食事中は茶碗を口元近くに持ち上げ、皿はテーブルに置く。
- 食事が終わったら、箸はテーブルまたは箸置きに揃えて置き、器に垂直に刺さない。
- ご飯茶碗に骨や種を置かない。皿がない場合はテーブルに直接置く。
- 勘定はホスト(招待者)が支払う。ゲストが支払いを申し出るのは礼儀だが、無理に要求しない。
服装
- 台湾では、きちんとした服装や保守的な装いが重視される。男性はスーツを着用することが一般的。女性はゆったりとしたスカートやブラウスといった控えめなビジネスウェアを好む傾向がある。
- 初対面での第一印象は重要。Tシャツやジーンズなどのカジュアルな服装は避ける。
- カジュアルな場でも控えめで清潔感のある服装を心がける。服装は整え、清潔でシワのない状態が望ましい。
手土産
- 贈り物は両手で渡し、受け取る。贈り主の前で開封しないのが礼儀。
- 受け取り側は一度断ることが礼儀とされるが、相手が丁寧に差し出す場合は受け取る。
- 慣習として、同額程度の贈り物でお返しをするのが一般的。
- 贈り物は丁寧に包装する必要があり、贈り物の包装や容器も重要視される。
ボディーランゲージ
- 誰であっても、特に赤ん坊の頭頂部には触れない。
- 異性に対する愛情表現は人前で控える。
- 足で物を動かしたり、指を差したりすることは避ける。
- 座る際は両手を膝の上に置き、男性は足を組まずに両足を床につけるのが望ましい。
- 相手の肩に腕を回す、ウインクをする、人差し指で指を指すなどは失礼とされる。指さす際は開いた手を使う。
- 手のひらを外向きにして顔の前で前後に動かすと「ノー」を意味する。
- 足をたたくなどの神経質な動作は失礼。
- 食べ物や物を受け取る際は両手を使い、敬意を示す。
- 褒められた際は謙虚に受け止める。
- 家族は台湾文化の中心的存在。相手の家族について尋ねるのは礼儀とされる。